詩集『音楽、日の』収録
「日の音楽」より  柏木麻里






 わたしは
 耳のそとで聴かなくてはならない


声は

どこにもつかまっていないのだから



 そのどちらも
 うしなわれないために
 可能な場所は


からだのなかにとり込んでそこで響かせる
わたしのものになってしまう声では
なく



 出会いに きた









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